収納内部の環境の事


収納される物を分類してみる。
どこで使う 何に使う 誰が使う いつ使う これは誰でもわかる分類法の基本

では いつもきれいにして仕舞いたい物 その必要が無い物
ほっといてもいい物 手入れが必要な物
密閉しておきたい物 換気が必要な物
何度も使う物 めったに使わない物
一緒に置きたい物 置きたくない物 どうでもいい物
見せたい物 ぜったい人に知られたくない物・・・・・・
こんな視点で分類を考えた事はありますか。

品物の一般的な使用目的や機能性での分類の他に 収納する人の価値観や好みが収納方法に加わります
これがいつの世でも家を建てる時の重要かつ永遠のテーマになってる理由です。
人が決めた収納に我慢できるか 合わせられるか 自分の気持に聞いて見ましょう

ここは事務所の今の様子
見せる事も兼ねたただの棚です。レンガに板が乗せてあるだけ
作品集やら カタログから サンプルなど

大きい物あまり使わない物は隣に倉庫が出来たのでそこにありますが 
必要な物が必要な場所に さりげなく 美しくが目標です。うっかり増えますから
気づいたことは 大事な本は立てるより横の方が痛まないという事

全部を解決するのは無理な事。それぞれの様々な暮らしの変化を考えると
ある程度おおらかに考え 仕舞うことに振り回されたくありません。
自分や家族にとって今必要な物 これを中心に考えて行きましょう。

しかし 生活に必要な物は膨大です。今は一膳の箸と 一つのお茶碗と言う訳にはいきません。
そこで 前に項目として出した分類法の内今回は「いつもきれいにして仕舞うか
その必要は無いか」「密閉して置きたいかそうでは無いか」
この点を踏まえながら収納の中の環境を整える為には何が大事か考えてみます。

「匂い」今回は洋服 靴など身につける物に付いて考えます。
洋服ダンス コート スーツ よそ行き 普段着 いかにきれいにして仕舞うかこれが重要です。
洗濯しない物はすぐに仕舞わず ほこりを払い 一時どこかに掛けて 体の湿気や熱を取ってから。
靴も同様です 素材も形も様々ですからまとめて洗濯というわけには行きません 

取りきれない体臭 汚れが湿気 温度によって増幅され 臭い 虫食いの原因になります。
では 仕舞わずどこかに引っ掛ける しかし 焼肉をした部屋にお気に入りの洋服は掛けたくないし
来客も拒むわけには行きません。これは極端な例ですがやはりどこかに収めたい
ある程度の広さも必要です。ぎゅうぎゅう積めでは中の空気は死んでしまいます。適度に隔離して守る。
これが目的ですから収納の中の環境はとても大事なのです。

環境を整える為のキーポイントとしては先にも言った通り 隔離と 調湿 換気です
素材
今多くの箪笥 下駄箱 押入れの中は 何で出来ているでしょうか。
糊付けされた合板やベニヤが主流です。
部屋と同じようにビニールクロスが張ってあったりペンキが塗ってあったり。
高級箪笥と言われ外見は素晴らしくとも中は同じです。
締め切られた空間に漂うのは臭いの他にベニヤなどから出る有害な化学物質です。
その上農薬と同じ成分が入っている防虫 材芳香剤があったとしたら
守ると言う目的の収納が害をもたらしている事になるのです
実際この事は 現代のの24時間換気の必要性や収納 家具についても
材料の基準が指定される様になった事に現れています
いくら基準が上がったとは言え合板には変わりなく 特に夏の暑い日 有害物質は活発にでてきます

私達はやはり収納の中に無垢の板を張りたいと考えます
無垢の材料の【特に杉は良く使われます】調湿効果は有効です。
木それぞれに臭いや成分 特性があるので何でもと言う訳には行きませんが
材料費 張り手間 工事費として多少割高になってもそれだけのメリットはあると思います
今ある収納の上に板を張る事も面倒なことではありません。
もしどうしても無理な場合は部屋の環境の方が収納の中よりも良い時 天気のいい時は
収納の扉を少し開けておきましょう。空気を淀ませないのがこつです。

外から入ってきた時の汚れをざっと落とし 仕舞う前の一時的な保管場所
寒い冬 木の扉を開けコートに積もった雪を払い 湿った靴を履き替えそして一つの扉を開けて中へ
日本では引き戸を開け広い土間で 足をすすいでから家に上がる。そういう習慣がありました。

靴を脱がなくてもで 近所の人と話ができるコムニケーションの場所でもありました
表玄関とは限りません 勝手口では泥のついた野菜を整理したり 外仕事の合間に家に入らなければ成らない時に
こんな場所ががあれば中を汚さずにすみますね。 

そして更にここに収納も組み入れられたら
少々の広さを確保し 棚を作ったり ポールをつけたり 出かける前の身づくろいも兼ねます。
コート 帽子 靴など 外でついたほこりを払い 湿気や熱をここで取り払ってから仕舞います。
住宅に余裕な広さは望めないので決断する勇気は必要ですが 
収納場所の一つとして検討してみてはいかがでしょうか 
そしてここは適度な広さと換気の出来る窓 これが重要だと考えます。

収納は バリアフリーの考え方と同じように 個人的なものです
一つの決まった答えはありませんが 基本的なことは踏まえたい。ただの収納方法ではなく 
暮らし方の一つとして考えられればと考えます